歩調ほちょう)” の例文
みなさんも、毎日まいにち、このオルガンの音色ねいろのように、気持きもちをさわやかに、この音色ねいろといっしょに歩調ほちょうわし、また、勉強べんきょうをしなければなりません。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
音楽に歩調ほちょうをあわせて整然せいぜんと進んで行くのを見ていると「えらいものだ! 音楽がわかる」と口をすべらしそうだ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
そういいすてると、彼は歩調ほちょうもゆるめず、大きなマスクの頭をふりたてて、ドンドンもとた道に引返ひきかえしていった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これも、ほがらかな秋を謳歌おうかする人間か、きいていても筋肉きんにくがピクピクしてきそうな口笛だ。健康けんこう両足りょうあしで、軽快けいかい歩調ほちょうで、やってくるのがわかるような口笛だ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今までじっと立っていた馬は、この時一緒いっしょに頸をあげ、いかにもきれいに歩調ほちょうんで、うまやの方へ歩き出し、からのそりはひとりでに馬について雪をすべって行きました。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
最後に残るのは——貴方がたの中でく誘惑ということを言いましょう。人と歩調ほちょうを合わして行きたいという誘惑を感じても、如何いかんせんどうも私にはその誘惑に従う訳に行かぬ。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「みなさんは、この上等じょうとうのオルガンに歩調ほちょうわせて愉快ゆかい体操たいそうをすることもできれば、また、うたうこともできます。」と、先生せんせいは、生徒せいとらにかっていいました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、うたいながら、はじめはゆるい歩調ほちょうけていましたが、途中とちゅうから、小田おだが、ひと大急おおいそぎで、まどしたほうかってはししました。なにかちていたのです。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たちまち、いいふえ音色ねいろや、ちいさならっぱのや、それにじって、歩調ほちょうわし、音頭おんどをとる太鼓たいこおとこって、しんとしたあたりがきゅうににぎやかになりました。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
なかほどだったつばさのいたんだからすは、今日きょうは、いちばんれつうしろについてきました。けれど、べつに、ひとりあとにとりのこされもせずに、みんなと歩調ほちょうわせてんでゆきました。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)