“機先”の読み方と例文
読み方割合
きせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは、そこにあった藤田伝五と並河掃部かもんの両部隊が、攻口を争って、混み合って来たため、その機先きせんを制した反撃であった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
逡巡しゅんじゅんするはいたずらに時刻の空費と考えた栄三郎、躍動に移る用意に、体と剣に細かくはずみをくれだすと、機先きせんせいしてくるかと思いのほか、正体の知れない火事装束の武士
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
明日あす此方こつちから行くつもりであるからと、機先きせんを制していた。電話ぐちへはあによめあらはれた。先達せんだつての事は、まだちゝはなさないでゐるから、もう一遍よくかんがへ直して御覧なさらないかと云はれた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)