本當ほんと)” の例文
新字:本当
そば小屋こやぢやあんめえ、先刻さつきとき肥料小屋こやしごやだとばかしおもつてたな、本當ほんとにかうだとこ醉狂すゐきやうはなしよな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
長吉ちようきちづれが草履ざうりどろひたいにぬられてはまれたもおなじだからとて、そむけるかほのいとをしく、本當ほんと堪忍かんにんしておくれ、みんなれがるい、だからあやまる、機嫌きげんなほしてれないか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
急げ急げ、こんどこそ本當ほんとだ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
つめたくつて本當ほんと晴々せえ/\とえゝみづぢやねえか、井戸ゐどてえに柄杓ひしやくすやうなんぢや、ぼか/\ぬるまつたくつて」おつたは獨語ひとりごとをいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
氣になんぞ懸けなくても能いよ、己れも傘屋の吉三だ女のお世話には成らないと言つて、寄かゝりし柱に脊を擦りながら、あゝ詰らない面白くない、己れは本當ほんとに何と言ふのだらう
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
本當ほんと先刻さつきからさうおもつてんだが立派りつぱはなぢやねえかな」おつたは庭先にはさき草花くさばなはなしいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)