“木霊”のいろいろな読み方と例文
旧字:木靈
読み方割合
こだま93.9%
コダマ6.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
聞ゆるはわが木霊こだまのみ、うつろの笑い、手がかりなきかと、なま爪はげて血だるまの努力、かかる悲惨の孤独地獄、お金がほしくてならないのです。
二十世紀旗手 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ふとなわで、鉄槌てっついげて、とすたびに、トーン、トーンというめりむようなひびきが、あたりの空気くうき震動しんどうして、とおくへ木霊こだましていました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
山人の芸の中に、さうした猿楽式なもどきが発達してゐた為、山人の木霊コダマを一つにしたもので、やはり、一つの芸術の現実化して考へられたものでせう。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
野の魅霊スダマ・山の木霊コダマの踊りを思はせるほど、自然の中から遊離したばかりの感じの深いものだが、首里那覇のは、既に芸能から、芸術にすら踏み入つてゐた。
沖縄を憶ふ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)