有気ありげ)” の例文
『然う?』と言つて、静子は思ひ有気ありげな眼付をした。無論、智恵子が買つて呉れたものと心に察したので。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
夜鴉よがらす羽搏はばたきを聞かぬうちに、花多き国に行く気はないか」とシワルドは意味有気ありげに問う。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「年頃のお嬢様のような『』もなくって……」と老婢は時々意味有気ありげに云った。
高原の太陽 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いいえ、何とも別に。』と言つて、智恵子は意味有気ありげな目で吉野を仰いで、そして俯向いた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)