普魯西プロシヤ)” の例文
ニコラスはカイゼル=ビスマルクの推薦で、もと普魯西プロシヤ連邦ヘッセン王国のダルムスタット家のアリスと結婚して四人の皇女が生れた。
淪落の皇女の覚書 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そのどさくさ紛れに、普魯西プロシヤのフレデリツク大王は、シレージヤの土地を、墺太利オーストリーの女帝マリア・テレサの柔かい手から手繰たくつた事があつた。
普魯西プロシヤ人は文明の敵だと叫んで見たり、独逸ドイツ人がそばにゐると食つた物が消化こなれないで困るとつたりしたニーチエは、偉大なる「力」の主張者であつた。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
普魯西プロシヤにては貴族めきたる鼻音にて物言ふ「レエベマン」を見ては、往きてこれと遊ばん勇気なし。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そうして、普魯西プロシヤから波蘭ポーランドを経て、魯西亜オロシャの本土に入り、それからは果てしのない旅を続けました。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
今は普魯西プロシヤのカイゼル父子とそれをめぐっていた軍閥者流とが代表として固執していた旧式な浪曼ローマン主義に根ざす軍国主義や専制主義がこの度の戦争の末期において頓挫とんざしたために
激動の中を行く (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
この人がまだ普魯西プロシヤ王フレデリキ・ウイルレム四世の皇弟であつた一八四九年のある秋の日、御微行おしのびでライン河のかはぷちをぶらぶらしてゐた事があつた。
普魯西プロシヤにては貴族めきたる鼻音びおんにて物言う「レエベマン」を見ては、往きてこれと遊ばん勇気なし。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
諸君よ、今暁吾々が行う潜行は、祖国を頽廃たいはいから救う、偉大なる隠れんぼうである。しかし、怖れることはない。普魯西プロシヤには、われわれ以前に、赫々かくかくたる功勲にかがやく、戦友が多々いるのである。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そして普魯西プロシヤ捕虜とりこになつてゐる甥の名前と収容所の所書ところがきとを渡すと、それから一週間ほど経つて、甥は不具かたはになつた捕虜の幾人いくたりと一緒に瑞西に送り帰されて来た。
見れば見覚えある相沢が手なるに、郵便切手は普魯西プロシヤのものにて、消印には伯林ベルリンとあり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
備前の新太郎少将が、ある時お微行しのびで岡山の町を通つた事があつた。普魯西プロシヤのフレデリツク大王は忍び歩きの時でも、いつもにぎふとステツキり廻して途々みち/\なまものを見ると
独逸ドイツ仏蘭西フランスいくさありし時、加特力カトリック派の国会に打勝ちて、普魯西プロシヤ方につきし、王が中年のいさをは、次第に暴政のうわさおおはれて、公けにこそ言ふものなけれ、陸軍大臣メルリンゲル
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
余が鈴索すずなはを引き鳴らして謁を通じ、おほやけの紹介状を出だして東來の意を告げし普魯西プロシヤの官員は、皆快く余を迎へ、公使館よりの手つゞきだに事なく濟みたらましかば、何事にもあれ
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
尤も独逸帝国の皇帝としてはきまつた報酬といふものはなく、唯年額六五〇・〇〇〇弗の収入があるに過ぎないが、皇帝は別に普魯西プロシヤ王として、年額三・一五〇・〇〇〇弗といふ収入がある。
余が鈴索すゞなはを引き鳴らしてえつを通じ、おほやけの紹介状を出だして東来の意を告げし普魯西プロシヤの官員は、皆快く余を迎へ、公使館よりの手つゞきだに事なく済みたらましかば、何事にもあれ
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
余が鈴索すずなわを引き鳴らしてえつを通じ、おおやけの紹介状を出だして東来の意を告げし普魯西プロシヤの官員は、みな快く余を迎え、公使館よりの手つづきだに事なく済みたらましかば、何事にもあれ
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
このとき戸口に人の声して、ほどなく庖廚ほうちゅうにありしエリスが母は、郵便の書状を持て来て余にわたしつ。見れば見覚えある相沢が手なるに、郵便切手は普魯西プロシヤのものにて、消印には伯林ベルリンとあり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)