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春日燈籠
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かすがどうろう
ふりがな文庫
“
春日燈籠
(
かすがどうろう
)” の例文
末造の据わっている所からは、二三本寄せて植えた
梧桐
(
あおぎり
)
の、油雑巾で拭いたような幹が見えている。それから
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
が一つ見える。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
月
(
つき
)
ヶ
瀬
(
せ
)
の
景趣
(
けいしゅ
)
をちぢめたような庭作り、
丘
(
おか
)
あり
橋
(
はし
)
あり流れあり、ところどころには、
蟇
(
がま
)
のような石、みやびた
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
の
灯
(
ひ
)
が、かすかにまたたいていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
庭の
清潔
(
きれい
)
なこと、赤松の一と抱えもあるのがあり、其の下に
白川御影
(
しらかわみかげ
)
の
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
があり、
檜
(
ひ
)
の木の
植込
(
うえご
)
み
錦木
(
にしきゞ
)
のあしらい、下草の様子、何やかや
申分
(
もうしぶん
)
なく
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
前に出ている薄暗い
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
や門燈もスウィッチを切られ、町は防空演習の晩さながらの暗さとなり、十一時になるとその
間際
(
まぎわ
)
の一ト時のあわただしさに引き換え
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
をつつんで、薄の穂が白く
燈
(
ひ
)
に映る。その奥の暗い葉蔭に、何やら笠を
被
(
かぶ
)
った黒いものが立っていて、ひょろひょろと動くのが、ふと目に着いてから気にかかった。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
や、いろ/\と少年の心を
怯
(
おび
)
えさすような姿勢を取った黒い物が、小さい瞳の中へ暴れ込んで来るので、私は御影の石段に腰を下し、しん/\と夜気のしみ入る中に首をうなだれた儘
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
玉垣
(
たまがき
)
を照らしている
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
の
灯影
(
ほかげ
)
によく見ると、それこそ、
裾野
(
すその
)
の
危地
(
きち
)
を斬りやぶって、
行方
(
ゆくえ
)
をくらました
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
と、
武田伊那丸
(
たけだいなまる
)
のふたりであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかもそこは、善美をつくした庭作り、
丘
(
おか
)
あり
池泉
(
ちせん
)
あり
馥郁
(
ふくいく
)
と咲く花あり、書院茶室の結構はいうまでもなく、夜を待つ
春日燈籠
(
かすがどうろう
)
の灯が、早くもここかしこにまたたいている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春
常用漢字
小2
部首:⽇
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
燈
部首:⽕
16画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“春日”で始まる語句
春日
春日山
春日町
春日野
春日局
春日野峠
春日和
春日明神
春日龍神
春日井