“旧(ふ)” の例文
旧字:舊
そこには旧(ふ)るくさい不自由な式たり、何とも知れず厭(いや)な様々な因縁(いんねん)——邪魔をするものが何もない。思ひのまゝに力一ぱいに仕事をすることが出来る!
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
長(たけ)なる髪をうしろに結びて、旧(ふ)りたる衣(きぬ)に軟(な)へたる帯、やつれたりとも美貌(びばう)とは誰(た)が目にも許すべし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見遍(みわた)せば両行の門飾(かどかざり)は一様に枝葉の末広く寿山(じゆざん)の翠(みどり)を交(かは)し、十町(じつちよう)の軒端(のきば)に続く注連繩(しめなは)は、福海(ふくかい)の霞(かすみ)揺曳(ようえい)して、繁華を添ふる春待つ景色は、転(うた)た旧(ふ)り行く歳(とし)の魂(こん)を驚(おどろ)かす。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「いそのかみ布留(ふる)の神杉(かむすぎ)神(かむ)さびて恋をも我は更にするかも」(巻十一・二四一七)、「現(うつつ)にも夢(いめ)にも吾は思(も)はざりき旧(ふ)りたる君に此処に会(あ)はむとは」(同・二六〇一)等があり
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
園をかこめる低き鉄柵(てっさく)をみぎひだりに結いし真砂路(まさごじ)一線に長く、その果つるところに旧(ふ)りたる石門あり。入りて見れば、しろ木槿(もくげ)の花咲きみだれたる奥に、白堊(しらつち)塗りたる瓦葺(かわらぶき)の高どのあり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
父に添ふ母の今宵の影見れば永くも添ひて旧(ふ)り来ましけり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この教こそ神(かん)ながら旧(ふ)るき真(まこと)の道と知れ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
園(その)をかこめる低き鉄柵(てっさく)をみぎひだりに結ひし真砂路(まさごじ)一線(ひとすじ)に長く、その果つるところに旧(ふ)りたる石門あり。入(い)りて見れば、しろ木槿(もくげ)の花咲きみだれたる奥に、白堊(しろつち)塗りたる瓦葺(かわらぶき)の高どのあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)