“施物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せもつ50.0%
ほどこしもの20.0%
せぶつ10.0%
せもの10.0%
ほどこし10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかるに南蛮宗は一切の施物せもつを受けず、かえつてこれほどこして下民げみん……いや人民の甘心を買ひ、わが一党の邪魔をすることもっとも奇怪なり。
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
つまり、一方の手が、機械的に、ポケットをひろげるのである——施物ほどこしものが、わきへ落ちないように。
なんとかして、この施物せぶつを受けとらせるうまい口実を探し出そうと思って、キャラコさんは、夢中になってあれこれとかんがえはじめる。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それはく人の行くてへの祈りと、つい先ごろの施物せものの恩謝とを語っていた。秀吉は、馬をとめた。うしろを振り向き、何ごとかをいいつけようとしたらしかった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一週間して水嵩が落ちると、はしけが出せるようになる。するとセミョーンの他の渡船夫は、みな要らなくなる。韃靼人は村から村へと、施物ほどこしや仕事を捜して歩くことになる。妻はまだ十七だ。
追放されて (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)