ぱなし)” の例文
千代子は「おおいやだ」とぱなしにして、さっさとまた並等なみとうを通り抜けた。宵子よいこかまは上等の一号というので、扉の上に紫の幕が張ってあった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
嘘を吐きっぱなしにして済ませられるなら、思い切って、嘘を吐く事にしたろうが、とにかく今切符を買うと云う間際まぎわで、吐けばすぐ露現ろけんしてしまうんだから始末がわるい。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)