ゆびざ)” の例文
日出雄ひでをや、あのむかふにえるたかやまおぼえておいでかえ。』と住馴すみなれし子ープルス市街まち東南とうなんそびゆるやまゆびざすと、日出雄少年ひでをせうねん
その時に正木博士にゆびざされていた青年……呉一郎のうしろ姿は、あたかも、何等かの暗示を受けたかのように、フッとこちらを振りかえった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
われは扉をほと/\とたゝきしに、寺僮は我が爲めに門を開きつ。そは曾てわが市長に伴はれて來ぬる時、我にチチヤノとカノワとの墓をゆびざし教へしことあれば、猶我面を見知り居たりしなり。
『これが、わたくし秘密ひみつ製造せいざうしつゝある、海底戰鬪艇かいていせんとうていです。』と、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさおもむろに右手ゆんでげて、その船體せんたいゆびざした。
『あれ/\、あの醜態ざまよう。』とゆびざ彼方かなた見渡みわたすと、生殘いきのこつたる獅子しゝ一團いちだんは、くもかすみ深林しんりんなか逃失にげうせた。