こしらへ)” の例文
何所迄どこまで恰当こうとうこしらへかたはら戸棚とだなけるとたなつてあつて、ズーツと口分くちわけいたして世辞せじの機械が並んでる。
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
たけ六尺余の大男で、羅紗らしやの黒羽織の下には、黒羽二重くろはぶたへ紅裏べにうら小袖こそで八丈はちぢやう下着したぎを着て、すそをからげ、はかま股引もゝひきも着ずに、素足すあし草鞋わらぢ穿いて、立派なこしらへ大小だいせうを帯びてゐる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「死んだ寅藏のかも知れないと思ふが、——イヤそんな筈はない。そのこしらへはひどくなつて居るが、短刀には見どころがある。銘を摺り上げてあるが、相州物の相當の品だらうと思ふ」
さてこの世辞屋せじや角店かどみせにして横手よこてはう板塀いたべいいたし、赤松あかまつのヒヨロに紅葉もみぢ植込うゑこみ、石燈籠いしどうろうあたまが少し見えるとこしらへにして、其此方そのこなた暖簾のれんこれくゞつてなか這入はいると
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
結構なこしらへの兩刀をした姿がなか/\立派である。どう見ても田舍者らしくはない。
ぢいさんばあさん (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「尤も、こしらへの直しを頼まれたと言つて、此の間から旦那が持つて居ましたが」