截断せつだん)” の例文
旧字:截斷
このような截断せつだん節約は詩形の短いという根本的な規約から生ずる結果であるが、同時にまた詩形の短さを要する原因ともなるのである。
俳諧の本質的概論 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
もしこれを截断せつだんし除却し、自由にその運動を放任するときは、わが邦人民は他人の鼓舞作興を待たずしてかの先祖のごとく、否
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それは、園長の死体が調餌室に搬ばれたと見る間に、料理人が壁から大きな肉切庖丁をおろして、サッと死体を截断せつだんする。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私はまた、『免訴を確実にするためには、彼は手首を截断せつだんする外はあるまい』と先刻さっき自分でいった言葉を思いだした。
ああ、汝、提宇子でうす、すでに悪魔の何たるを知らず、いわんやまた、天地作者の方寸をや。蔓頭まんとう葛藤かっとう截断せつだんし去る。とつ
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは時として突飛とっぴな擬人法の挿入、時として客観的叙述の中へ作者の主観的抒情の挿入、また時として複雑な情景を簡明な一句で截断せつだんする形をとる。二、三の例。——
チェーホフの短篇に就いて (新字新仮名) / 神西清(著)
精霊の思想は以て幽霊の新題目を文学に加ふるところありしと雖、一方に於ては輪転あり、無常あり、寂滅あり、以て人間の思慕を截断せつだんし、幽奥なる観念をさへぎるに足りしなり。
他界に対する観念 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
前後を截断せつだんして、過去未来を失念したる間にただギニヴィアの形のみがありありと見える。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
資本家は、機械に截断せつだんされた労働者、ベルトに巻き込まれて、砕けてしまった労働者、乾燥炉の中へおちて、焼き鳥のようになった労働者には驚かない。それの診断書だけに驚くのであった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
エウマイオスは自分で革を截断せつだんして履物を作ったといわれ、オデュッセウスは非常に器用な大工で指物師であったように記されている。我々にとってこれは羨望せんぼうあたいすることではないであろうか。
人生論ノート (新字新仮名) / 三木清(著)
なんの原因もなくして截断せつだんせられたることのごときも、その日はかの女子一人のみ家にありし日なれば、いずくんぞ、かの女子が家人の不在に乗じて、自らなせしところにあらざることを知らんや。
「葛藤の根源を截断せつだんする」という参学には向かっているが
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
これは明らかに強風のために途上の木竹片あるいは砂粒のごときものが高速度で衝突するために皮膚が截断せつだんされるのである。
化け物の進化 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
標準はただそれだけだった。しかしやはりこの標準にも全然例外のないわけではなかった。それは彼の友だちと彼との間を截断せつだんする社会的階級の差別だった。
鴨田かもだ嫌疑けんぎをかけるならば、鴨田は何かの原因で、河内園長を爬虫館に引摺ひきずりこみ、これを殺害して裸体らたいぐと、手術台の上でバラバラに截断せつだん
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
犯人は一生涯寝ても起きても手套てぶくろを離さないという決心をしなければ、必ずこの手から発覚します。それが厭なら男らしく自分で手首を截断せつだんするんですね。
比較的に柔らかい鋼鉄の円板を急速度に廻転させ、その縁にごく硬い鋼鉄を当てると硬い方の鉄が容易に截断せつだんされる。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
すると辰子はそれよりも先にこう話を截断せつだんした。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いつかある大新聞社の工場を見学に行ってあの高速度輪転機の前面を瀑布ばくふのごとく流れ落ちる新聞紙の帯が、截断せつだんされ折り畳まれ積み上げられて行く光景を見ていたとき
ジャーナリズム雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その中から截断せつだんしたカッティングをモンタージュにかけて立派なものを作ることも可能であろうが、経済的の考慮から、そういう気楽な方法はいつでもどこでも許されるはずのものではない。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
このようにして行なわれる選択的截断せつだんは言うまでもなく次に来るところの編集のための截断であり、構成のための加工である。一瓶ひとかめの花を生けるために剪刀せんとうを使うのと全く同様な截断の芸術である。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
俳諧は截断せつだんの芸術であることは生花の芸術と同様である。
俳諧の本質的概論 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)