愛子あいし)” の例文
以て明朝きみには御切腹ごせつぷくせがれ忠右衞門も自害致し死出しで三途さんづ露拂つゆはらつかまつるとの事武士の妻が御切腹ごせつぷくの事兼て覺悟かくごには御座候へども君に御別おんわかれ申其上愛子あいし先立さきだたれ何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
笊のことをフゴと呼ぶのだといふことである。途切れ/\に人家のあるママ愛子あいしといふ村へかゝる。此村は端から端までゞは二里もあるといひながら女は負けずに跟いて來る。
旅の日記 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
天帝の愛子あいし、運命の寵臣ちょうしん、人のうちの人、男のなかの男と世の人の尊重の的、健羨けんせんの府となる昔所謂いわゆるお役人様、今の所謂官員さま、後の世になれば社会の公僕とか何とか名告なのるべき方々も出た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さのみは勿体ぶりもしたまはで、快うもてなし愛子あいしの顔など見せたまふに。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
これは御自身の愛子あいしとして非常に大事がっておいでになった。
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
阿母おっかさんは愛子あいしの出獄前に病死しました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)