“心悲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うらがな66.7%
うらかな33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
枕に就くと、今日位身体も心も急がしかつた事がない様な気がして、それでも、何となく物足らぬ様な、心悲うらがなしい様な、恍乎うつとりとした疲心地で、すぐうと/\と眠つて了つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
……けたたましく、可哀あわれに、心悲うらがなしい、とびにとらるると聞く果敢はかない蝉の声に、俊吉は肝を冷しつつ、※々ぱっぱっおもてを照らす狐火きつねびの御神燈に、幾たびか驚いて目をふさいだが、路も坂に沈むばかり。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
心悲うらかなしい、が冴えた声。鈴を振るごとく、白銀しろがねの、あの光、あけの明星か、星に響く。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
散りこすなゆめと言ひつゝ、幾許こゝだくるものを、うたてきやしこほとゝぎす、あかつき心悲うらかなしきに、追へど追へど尚ほし鳴きて、いたづらに地に散らせれば、すべをなみぢて手折たをりて、見ませ吾姉子あぎもこ
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)