微妙いみじ)” の例文
同時に医学士に診察を受けていた貴夫人は胸を掻合せたが、金縁の眼鏡をかけた顔で、背後うしろ芍薬しゃくやくが咲いたような微妙いみじ気勢けはいに振返った。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また暫く待って七宝で飾った宮殿を過ぎて極楽ごとき中殿に到る、六十ばかりの人微妙に身をかざり出で来り、強いてかの男を微妙いみじき帳床に坐らせ
雨の日のもののしらべの微妙いみじさに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
やがて退しさりて、つかへ、は、は、申上まをしあたてまつる。おうなんとぢや、とお待兼まちかね。名道人めいだうじんつゝしんで、微妙いみじうもおはしましさふらふものかな。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
頌歌しやうかあふるゝ微妙いみじさと
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
微妙いみじ姫神ひめがみ、余りの事の霊威にうたれて、一座皆ひざまずいて、東の空を拝みました。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
微妙いみじくもしきまぼろし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
微妙いみじ姫神ひめがみあまりのこと靈威れいゐうたれて、一座いちざみなひざまづいて、ひがしそらをがみました。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども、それかみをのの、微妙いみじ製作せいさく会得ゑとくしたうれしさではなかつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)