ウシロ)” の例文
が、或は皇太子伝としての位置から見て、其ウシロみ申した早良サハラ太子——或は、他の男女皇子——の為の指導書として上つたものとも、文学史的には考へられる。
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
必ズ中途ニ迎ヘ戦ハンニ、他ノ間道ヨリ奇兵ヲ放チテ、トリデノ背後ニ廻シ、多クノ下小屋(兵舎)ヲ焼カシメナバ、中川勢火ヲ見テ、ウシロニモ戦ヒ有リト思ヒ、急ニ引退ヒキノニ浮キ立ツベシ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわちこれは後方がシリヘ(すなわちウシロ)、羊蹄がシである。このシリベシ山は北海道後志の国から胆振の国に跨って聳ゆるマッカリヌプリの事で一に蝦夷富士と呼び昔から著名な高山である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
古言の鼓うちひゞかせて、ウシロ向かじ、背見せじと、進まざらむや。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)