律法おきて)” の例文
今彼禍ひの川のかなたにとゞまるがゆゑに、わがかしこを出でし時立てられし律法おきてに從ひ、またわが心を動かすをえず 八八—九〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「ところが、わしどもには課せられている律法おきてがありますのでな。それで、この館から災を避けることは不可能なのです」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ユダヤ人の律法おきての定めに従って、両親は八日目に嬰児に名をつけて、イエスと言った。
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
旧約全書ダニエル書第六章第八節、「されば王よねがわくはその禁令を立ててその詔書をしたためメディアとペルシアの廃ることなき律法おきてのごとくにこれをして変らざらしめたまえ」
「誰もかも手を使って働かなきゃならないなんて、お前の国でももっとも馬鹿気ばかげ律法おきてだ。こんなことを考えるのも言わばお前が馬鹿だからだ。賢い人は何で働くか知っているか?」
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
われ内なる人については神の律法おきてを楽しめどもわが肢体に他ののりありてわが心の法と戦い我をとりこにしてわが肢体の内におる罪の法に従わするを悟れり。ああわれ悩める人なるかな。この死の体より我を
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
この女の両親も正しい人で、モーゼの律法おきてに従つて娘を教育した。
律法おきてなくば罪は死にたるものなり。ああアブラハムもダビデも如何いかにも遠い神である。小説とはどんな形で書くのかわからない。只、ひたすら空想するばかりだけでもないのだろう。罪を書く。描く。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
文運かの如く開け、且つ古の律法おきてをたてしアテーネもラチェデーモナも、汝にくらぶればたゞさゝやかなる治國の道を示せるのみ 一三九—
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そは高きにしろしめすみかど、わがその律法おきてに背けるの故をもて我に導かれてその都に入るものあるをゆるし給はざればなり 一二四—一二六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
次なる者は、牧者に讓らんとて(その志善かりしかど結べるしかりき)律法おきて及び我とともに己をギリシアのものとなせり 五五—五七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
汝等斯くして淵の律法おきてを破れるか、はた天上のさだめ新たに變りて汝等罰をうくといへどもなほわが岩に來るをうるか。 四六—四八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
我は皇帝チェーザレなりき、我はジュスティニアーノなり、今わが感ずる第一の愛の聖旨みむねによりてわれ律法おきての中より過剩あまれるもの無益物えきなきものとを除きたり 一〇—一二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そは汝の視る一切の物、永遠とこしへ律法おきてによりて定められ、指輪はこゝにて、まさしく指にへばなり 五五—五七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この者第一の父の魂、その子アベルの魂、ノエの魂、律法おきてをたてまたよく神に順へるモイゼの魂 五五—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かれ淫慾の非に耽り、おのが招ける汚辱を免かれんため律法おきてをたてゝ快樂けらく囘護かばへり 五五—五七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)