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彷徨
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はうくわう
ふりがな文庫
“
彷徨
(
はうくわう
)” の例文
吁
(
あゝ
)
、当年豪雄の戦士、官軍を悩まし奥州の気運を支へたりし快男子、今は即ち
落魄
(
らくはく
)
して主従唯だ二個、異境に
彷徨
(
はうくわう
)
して漁童の嘲罵に
遭
(
あ
)
ふ。
客居偶録
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
本國
(
ほんごく
)
日本
(
につぽん
)
を
立去
(
たちさ
)
つた
人
(
ひと
)
、
其人
(
そのひと
)
に
今
(
いま
)
や
斯
(
か
)
かる
孤島
(
はなれじま
)
の
上
(
うへ
)
にて
會合
(
くわいごう
)
するとは、
意外
(
いぐわい
)
も、
意外
(
いぐわい
)
も、
私
(
わたくし
)
は
暫時
(
しばし
)
五里霧中
(
ごりむちう
)
に
彷徨
(
はうくわう
)
したのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今の談理家はおの/\おのが方寸の小宇宙に
彷徨
(
はうくわう
)
逍遙して、我が思ふところのみを正しとし、これを尺度として大世界の事を裁斷せんとす。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
而して今にして知りぬ、古人が自家見証につきて語る所の、
毎々
(
つね/″\
)
徒
(
いたづ
)
らに人をして五里霧中に
彷徨
(
はうくわう
)
せしむるの感ある
所以
(
ゆゑん
)
を。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
「犬の幽霊が野原をああして駆けまはつて居たのだ。さうして、さういふ霊的なものは俺にばかりしか見えないのだ……。」……
憂欝
(
いううつ
)
の世界、
呻吟
(
しんぎん
)
の世界、霊が
彷徨
(
はうくわう
)
する世界。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
綱吉殺しの調べは一向進んだ樣子もなく、御用聞の友次郎も、與力の笹野新三郎も、全く五里霧中に
彷徨
(
はうくわう
)
して居るのに、平次の狂態は恐ろしい勢で進展し、半月經たないうちに
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
善き半身である処の邦子のおだやかな
容子
(
ようす
)
を考へて、その妻を犠牲にしながら、自分だけはこんなところに
彷徨
(
はうくわう
)
してゆき子に
搦
(
から
)
まり、現在の生活の淋しさを、ゆき子によつて
遁
(
のが
)
れようと
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
そは他年わが拿破里の遭遇の悉く夢ならぬを證せん
料
(
しろ
)
にもとてなり。嗚呼、われ拿破里を見たり、拿破里の市を
彷徨
(
はうくわう
)
せり。わが得しところそも
幾何
(
いくばく
)
ぞ、わが失ひしところはたそも幾何ぞ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「ロメオ・アンド・ジユリヱット」の著者は、何が故にロメオが欝樹叢中に
彷徨
(
はうくわう
)
したりしやを記せず。
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
因果は万人に纏ひて悲苦を与ふるものなるに、万人は其
繩羅
(
じようら
)
を脱すること能はずして、生死の巷に
彷徨
(
はうくわう
)
す、伏姫は自ら進んでこの大運命に一身を
諾
(
ゆだ
)
ねたるものなり。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
而して人間は実に有限と無限との中間に
彷徨
(
はうくわう
)
するもの、肉によりては限られ、霊に於ては放たるゝ者にして、人間に善悪正邪あるは
畢竟
(
ひつきやう
)
するに内界に於て有限と無限との戦争あればなり
明治文学管見:(日本文学史骨)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
“彷徨”の意味
《名詞》
彷徨(ほうこう)
さまよい歩くこと。うろつくこと。
(出典:Wiktionary)
彷
漢検1級
部首:⼻
7画
徨
漢検1級
部首:⼻
12画
“彷徨”で始まる語句
彷徨彳亍