“建武”の読み方と例文
読み方割合
けんむ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世はいくさに次ぐ戦であった。建武けんむの平和もつかの間でしかなかった。楠木正成くすのきまさしげ、弟正氏まさうじたち一族のおびただしい戦死が聞えた後も、乱はまなかった。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
為世は自足して元徳四年出家し、八十の高齢で華々しい栄華を一とまず閉ざした。その後、高野山こうやさん蓮花谷れんげだに隠棲いんせいしたが、元弘げんこう建武けんむの間また京都に帰ってもいる。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
あの建武けんむの昔二条河原の落書らくしょとやらに申す下尅上げこくじょうする成出者なりでものの姿も、その心根のいやしさをもって一概に見どころなき者とおとしめなみする心持にもなれなくなります。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)