たう)” の例文
伊太利イタリイのメシナ海峡を夜半よなかに通過する事に成つたのでエトナざんもブルカノたうも遠望が出来なかつたが、夜明よあけにストロンボリイ島の噴火だけを近く眺めた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさいまこのたうちゆうひそめてかねくわだつるといふ、軍事上ぐんじじやう大發明だいはつめい着手ちやくしゆしてるのではあるまいか。讀者どくしや諸君しよくんおそらく此邊このへん想像さうぞうくだらう。
此帝都このていとを去りて絶海無人ぜつかいむじんたうをさして去りぬ、さかんなるさまを目撃したる数萬すうまんの人、各々めい/\が思ふ事々こと/″\につき、いかに興奮感起こうふんかんきしたる、ことに少壮せうさうの人の頭脳づなうには
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
Barkバルク といふ三檣船みはしらせんも見えそめてコルシカたうに近づきゆかむ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ドク露艦ロかん敬禮けいれいむかつて謝意しやゐひやうしつゝ、大小だいせうニコバルたうとサランたうとを右舷うげん左舷さげんとにながめて、西にしひがしとのわかなるマラツカ海峽かいけうをもいつしかゆめ
ペリムたう亜刺比亜アラビアの国に近くしてその灯台の見えはじめたり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
その老水夫らうすゐふがいろ/\の興味けうみあるはなしなかで、もつとふかわたくしこゝろきざまれてるのは、一番いちばんおそろしい航路かうろ印度洋インドやうだとうふ物語ものがたり亞弗利加洲アフリカしう東方ひがしのかた、マダカッスルたうからも餘程よほどはなれて