きょく)” の例文
今までこれといってきょくに当たり意志を実行せんとする場所におらぬものは、一番悪く言われぬものである。ゆえに気の弱い者は
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
大納言のつかさは「天下喉舌こうぜつノ官」ともいわれるきょくである。聖旨を下達し、下の善言もれる機関とあるのでそんなとなえもあったとみえる。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つうの手紙がいこんできた。切手きってらないので、郵税ゆうぜい二ペンスの不足ふそくとなっている。透明人間からのものだ。消印けしんはヒントンディーンきょく
しかもその苦しみは、直接にそのきょくに当ろうとする子供自身よりも大きいものである、同じものであると考えたりするのは、まちがっていると思います。
親子の愛の完成 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
しかし自身がそのきょくに当れば利害の旋風つむじき込まれて、うつくしき事にも、結構な事にも、目はくらんでしまう。したがってどこに詩があるか自身にはしかねる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小栗はかくのごとくみずから内外のきょくあたりて時の幕吏中ばくりちゅうにては割合に外国の事情じじょうにも通じたる人なれども、平生へいぜいことに西洋の技術ぎじゅつはすべて日本にまさるといえども医術いじゅつだけは漢方かんぽうに及ばず
右弁官うべんかんきょくから迎えにきた蔵人くろうどと袖をつらねてすぐ立ち去り、義貞はそのまま退出して、高倉ノ辻へ帰った。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きょくに対している人は阿波守重喜しげよし
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)