小萩こはぎ)” の例文
二人は午餉ひるげを食べながら、身の上を打ち明けて、姉妹きょうだいの誓いをした。これは伊勢の小萩こはぎといって、二見が浦から買われて来た女子である。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「覚悟はそのほうのことだ、小萩こはぎの弓勢は三人張だからうっかりすると落命に及ぶぞ、——ところで相手はつれて来たか」
粗忽評判記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
南の御殿のほうも前の庭を修理させた直後であったから、この野分にもとあらの小萩こはぎが奔放に枝を振り乱すのを傍観しているよりほかはなかった。
源氏物語:28 野分 (新字新仮名) / 紫式部(著)
かやや、すすきや、桔梗ききょうや、小萩こはぎや、一面にそれは新芽を並べて、緑を競って生え繁っていた。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
小萩こはぎは来て肩を打て」
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
山の小萩こはぎ
歌時計:童謡集 (旧字旧仮名) / 水谷まさる(著)
宮城野みやぎのの露吹き結ぶ風のおと小萩こはぎが上を思ひこそやれ
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
牡鹿をじか鳴く秋の山里いかならん小萩こはぎが露のかかる夕暮れ
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
荒き風防ぎしかげの枯れしより小萩こはぎが上ぞしづ心無き
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)