尊重そんちょう)” の例文
いったい日本人は花のにおいに冷淡れいたんで、あまり興味をかないようだが、西洋人と中国人とはこれに反して非常に花香かこう尊重そんちょうする。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
私は大体秩序を尊重そんちょうするたちだから、この手紙には強い反感はんかんをもった。我慢力が無いと内心いきどおった。それでも十五歳の姉娘あねむすめが心配し出した。行って見てくるという。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
あるときは故郷こきょうおもしては、かなしいやるせない、それは、わたしには、あまり微妙びみょうでいいあらわせないような、もっとも尊重そんちょうされなければならぬ感情かんじょうを、わたしにばかり
春さきの古物店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うじがきたないのではなくて、人間や自然の作ったきたないものを浄化じょうかするために蛆がその全力をつくすのである。尊重そんちょうはしても軽侮けいぶすべきなんらの理由もない道理である。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
万物の霊長れいちょうであり、したがって廉恥心れんちしんも自然にそなわっているものなれば、よろしくみずかおもんずべきものなりとの意味をいいあらわし、動物に対して人の尊重そんちょうすべきを示したものである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)