寢鎭ねしづ)” の例文
新字:寝鎮
日中なら直ぐ人に見とがめられるし、病人も氣が付くから、これは、夜中人の寢鎭ねしづまつた時の仕業に相違ない、と斯う申すので御座います。
おこし其夜家内は寢鎭ねしづまりやゝ丑刻半なゝつはんとも思ふころ不※ふと起出おきいかねて勝手は知りしゆゑ拔足ぬきあしさし足して奧へ忍び行き佛壇ぶつだんの下より三百五十兩の大金を盜みいだし是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それからときばかり、江戸の街々もすつかり寢鎭ねしづまつた頃、平次は横山町の自身番を覗きました。
もつとも皆んな寢鎭ねしづまつてから、脱出さうと思へば、誰でも自由に脱出せますがね」
「若旦那の吉之助さんが、毎晩、皆んな寢鎭ねしづまつた頃、座敷牢から脱出して、お夏と一緒に、納戸で逢引したり、井戸端で身體を洗つたり、庭をブラブラ歩いてゐることもあるやうですが——」