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寒牡丹
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かんぼたん
ふりがな文庫
“
寒牡丹
(
かんぼたん
)” の例文
と、霜除けをかぶった
寒牡丹
(
かんぼたん
)
のように、ぶるぶると、歯の根を噛んでいるのは、今夜の見張をいいつけられた加山、波越の二同心だった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
憶起
(
おもひおこ
)
す。……
先生
(
せんせい
)
は、
讀賣新聞
(
よみうりしんぶん
)
に、
寒牡丹
(
かんぼたん
)
を
執筆中
(
しつぴつちう
)
であつた。
横寺町
(
よこでらまち
)
の
梅
(
うめ
)
と
柳
(
やなぎ
)
のお
宅
(
たく
)
から
三町
(
さんちやう
)
ばかり
隔
(
へだ
)
たつたらう。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
暗い寒い静かな
明方
(
あけがた
)
に、誰れも気づかぬとき、床の間の
寒牡丹
(
かんぼたん
)
が崩れ散ったような彼女の死の瞬間が想像され、死顔を見るに堪えなくなって
暇
(
いとま
)
を告げた。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
○東京の
牡丹
(
ぼたん
)
は多く
上方
(
かみがた
)
から苗が来るので、
寒牡丹
(
かんぼたん
)
だけは東京から上方の方へ輸出するのぢやさうな。このほかに
義太夫
(
ぎだゆう
)
といふやつも上方から東京へ来るのが普通になつて居る。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
駒形
(
こまがた
)
の、静かな町を、小刻みな足どりで、
御蔵前
(
おくらまえ
)
の方へといそぐ、
女形
(
おやま
)
風俗の美しい
青年
(
わかもの
)
——
鬘下地
(
かつらしたじ
)
に、紫の
野郎帽子
(
やろうぼうし
)
、
襟
(
えり
)
や
袖口
(
そでぐち
)
に、赤いものを
覗
(
のぞ
)
かせて、
強
(
きつ
)
い黒地の
裾
(
すそ
)
に、
雪持
(
ゆきもち
)
の
寒牡丹
(
かんぼたん
)
を
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
苞
(
つと
)
割れば笑みこぼれたり
寒牡丹
(
かんぼたん
)
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
寒牡丹
(
かんぼたん
)
の季節
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そこに
佇
(
たたず
)
んでいたが、だいぶ手間どれるので、何故待たせるのかと疑いながら、広縁へ出て、折ふし冬ざれの寺の
庭面
(
にわも
)
に、
霜除
(
しもよ
)
けをかぶって、
仄
(
ほの
)
かな
紅
(
くれない
)
を見せている
寒牡丹
(
かんぼたん
)
など眺めていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
惨
(
さん
)
として
驕
(
おご
)
らざるこの
寒牡丹
(
かんぼたん
)
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
人形の前に
崩
(
くず
)
れぬ
寒牡丹
(
かんぼたん
)
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
覆
(
おおい
)
とり互に
見
(
まみ
)
ゆ
寒牡丹
(
かんぼたん
)
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
寒
常用漢字
小3
部首:⼧
12画
牡
漢検準1級
部首:⽜
7画
丹
常用漢字
中学
部首:⼂
4画
“寒”で始まる語句
寒
寒気
寒氣
寒空
寒風
寒冷
寒々
寒竹
寒鴉
寒天