家婢かひ)” の例文
この家の他の人々——即ちジョンとその妻、家婢かひのリア、佛蘭西人の保姆ほぼのソフィ——等は人柄ひとがらのいゝ人たちではあるが、併しこれと云つて面白い所もなかつた。
梨琴は、窯場で五郎大夫と親しくなって、そのめかけとも家婢かひともつかず、この家へ来たものだった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お支度したくが出来ました」と言っては食事の時ごとに部屋のたたきに来る仏蘭西フランス家婢かひのかわりに、ここには御膳おぜん飯櫃おはちを持って母屋の台所の方から通って来る女中がある。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)