まを)” の例文
ここに若日下部の王、天皇にまをさしめたまはく、「日にそむきていでますこと、いと恐し。かれおのれただにまゐ上りて仕へまつらむ」
ただただ九〇ふるあたをわすれ給うて、浄土じやうどにかへらせ給はんこそ、ねがはまほしき叡慮みこころなれと、はばかることなくまをしける。
いなといへど語れ語れとらせこそ志斐しひいはまを強語しひがたりる 〔巻三・二三七〕 志斐嫗
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
問ひて曰はく、「今天つ日高の御子虚空つ日高、うはくに一九でまさむとす。誰は幾日に送りまつりて、かへりごとまをさむ」と問ひき。
かれその軍士ども、還り來て、まをして言さく、「御髮おのづから落ち、御衣破れ易く、御手にかせる玉の緒もすなはち絶えぬ。かれ御祖を獲まつらず、御子を取り得まつりき」