噴火口ふんかこう)” の例文
昭和二年しようわにねん大噴火だいふんかをなしたときも噴火口ふんかこうからなが鎔岩ようがんが、あだか溪水たにみづながれのように一瀉千里いつしやせんりいきほひもつくだつたのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
例のラジウム二百グラムの入った鉄の箱が、この三原山の噴火口ふんかこうの中に投げこんであると耳にしたもんだから、なんとかそれを取出そうと思ってね。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここに、時ならぬ噴火口ふんかこうができて、富士の形が一に変るのかと思われるような火の柱が、人穴城ひとあなじょうから、宙天ちゅうてんをついた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうです、よくえませんか。あのくものようなのが、山脈さんみゃくで、ぼつ、ぼつが、噴火口ふんかこうのあとです。つき世界せかいには、みずがないから、生物せいぶつもいない。んだ世界せかいですよ。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
華厳けごんたきにしても浅間あさま噴火口ふんかこうにしても道程みちのりはまだだいぶあるくらいは知らぬに感じていたんだろう。行き着いていよいよとならなければ誰がどきんとするものじゃない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あそこが噴火口ふんかこうだ。そら火をふいた。ふいたぞ。おもしろいな。まるで花火だ。おや、おや、おや、火がもくもくいている。二つにわかれた。奇麗きれいだな。火花だ。火花だ。まるでいなずまだ。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのため、小屋は人でいっぱいでしたが、ただシャンデリアの下だけは小さな噴火口ふんかこうのようになっていました。そこには、ろうが『ポタリ、ポタリ』と落ちるので、だれもすわる人がなかったのです。
ハワイのキラウエア火山かざんたか千二百三十五米せんにひやくさんじゆうごめーとる)は、ハワイとう主峯しゆほうマウナ・ロア火山かざん側面そくめん寄生きせいしてゐるものであるが、通常つうじよう場合ばあひ、その噴火口ふんかこう鎔岩ようがんたし
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
殊に放射状の深いみぞを周囲に走らせている巨大な噴火口ふんかこうのようなものは、非常に恐ろしく見えた。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
火山かざん噴火ふんか鳴動めいどう神業かみわざかんがへたのは日本につぽんばかりではないが、とく日本につぽんにおいてはそれがなり徹底てつていしてゐる。まづ第一だいゝちに、噴火口ふんかこうかみたまへる靈場れいじよう心得こゝろえたことである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
山の上に、まるで噴火口ふんかこうでもあるかのように、ポッカリと大穴がいているのです。穴から下をのぞいてみますと、底はどこまでも続いているとも知れず、真暗まっくらで見透みとおしがつきません。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
月の噴火口ふんかこう
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)