“啄(は)” の例文
況(ま)して鳥類(てうるゐ)は廣大無邊(くわうだいむへん)の天地(てんち)を家(いへ)とし、山(やま)を翔(か)けり、海(うみ)を横(よこ)ぎり、自在(じざい)に虚空(こくう)を往來(わうらい)して、心(こゝろ)のまゝに食(しよく)を啄(は)み、赴(おもむ)く處(ところ)の塒(ねぐら)に宿(やど)る。さるを捕(とら)へて籠(かご)に封(ふう)じて出(い)ださずば、其(その)窮屈(きうくつ)はいかならむ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
獣(けもの)が食えば野の草から、鳥が啄(は)めば峰の花から、同じお稲の、同じ姿容(かたち)となって、一人ずつ世に生れて、また同一(おなじ)年、同一(おなじ)月日に、親兄弟、家眷親属、己(おの)が身勝手な利慾(りよく)のために、恋をせかれ
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)