口論こうろん)” の例文
誰が僕の背中を押して水を吐かせているのか、誰が口論こうろんしてるのか、頭をあげてその方を見る余裕など全くなかった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いや/\此兄がものなり、弟がのなりと口論こうろんやまず、つひにはつかみあひうちあひしを、母やう/\におししづめ、しからば光る石を二ツにりて分つべしといふ。
たゞせしに小松屋のかゝへ遊女いうぢよ白妙しろたへ執心しふしんして只今迄も度々安五郎とか申者と口論こうろんにも及びし趣き聞えたり然すれば汝大門番重五郎を殺す心は有まじけれどかれ安五郎白妙が逃亡たうばう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昔、ある村に重吉じゅうきち六兵衛ろくべえという二人の少年が住んでいました。二人は子供こどもの時分から大のなかよしで、今まで一度だって喧嘩けんかをしたこともなく口論こうろんしたことさえありませんでした。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
いや/\此兄がものなり、弟がのなりと口論こうろんやまず、つひにはつかみあひうちあひしを、母やう/\におししづめ、しからば光る石を二ツにりて分つべしといふ。
此者このもの共儀今曉こんげう寅刻なゝつどき頃主人近江守持場もちば御橋の中程に於て口論こうろん箇間敷がましき儀申つのり居候故番所より聲掛こゑかけ追拂はんと致せし處一圓退去たいきよ仕つらず互いにつかみ合金八十兩を双方さうはう自分の物の由申爭ひ候段御場所柄ばしよがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あげ親父儀おやぢぎは是迄喧嘩けんくわ口論こうろんなど致せしことも之無く日頃人の爲のみ仕つり村方にてもほめられ候程の儀故勿々なか/\意趣遺恨いしゆゐこんなど受ることはいさゝかも御座無く候と申立れば横田如何にもこそあるべしして金子きんす紛失ふんじつの由なれば定めて盜賊たうぞく所業しよげふに相違有まじ因て死骸しがいの儀は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)