効果ききめ)” の例文
旧字:效果
だから僕の所謂いはゆる改造なんていふ漸進主義は、まだるツこく効果ききめが無いのかも知れんね。僕も時々さう思ふ事があるよ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
時としては、何という理由わけもなく、急に癇癪が起りましてね……そんなときには大抵海岸か山の方へ転地しましたが、ちっとも効果ききめがありませんでした。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「よろしくございません。たいへんでございます。お話しになりましても何の効果ききめもございませんでしょうのに」
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
その刺戟がもともと同じ性質の刺戟だもんで、棒で叩かれたと同じ効果ききめをうけ、そいつも鳴り出すのだ。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は養家の感情を害すると共に、実家のいかりも買うようになりました。私が心配して双方を融和するために手紙を書いた時は、もう何の効果ききめもありませんでした。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして時にはあふれるほどの感興に、創作の感興に浸らせてくれるのです。こうした効果ききめは、私は人にも訊いてみましたが、これは私の寝間帽子に限るようですね。
聖アンデルセン (新字新仮名) / 小山清(著)
「少しは痛う御座いやす。針ていうものは効果ききめの恐ろしいもので生死いきしににかかわるものでげす。」
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
片手で斬込んだ時平常ふだんの練習で双手で斬込んだと同じ効果ききめがあったら、数馬は矢張池田家中第一の美男子でおられたかも知れないが、不幸にしてこの心得が無かったため
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
どんな道を通って行っても大丈夫です。だが、ただ知ったというだけで、その「因縁」をぎょうじなければ効果ききめはありません。因縁を行ずるとは、因縁を生かしてゆくことです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
同時に、こうした仕事に対する私の「顔」の効果ききめを自認しない訳には行かなかった。
けむりを吐かぬ煙突 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
北山のなにがしという寺に非常に上手じょうず修験僧しゅげんそうがおります、去年の夏この病気がはやりました時など、まじないも効果ききめがなく困っていた人がずいぶん救われました。
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ちょっと考えると、それは一方が鳴ると、それについて自然にこたえるかのように鳴り始めるようにみえるのだ。し、別にそっと釣して置いた振動体が寸法のちがうものであっては効果ききめがない。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「こんな薬が利くものか」と疑っていては、どんな名薬でもなんの効果ききめもないわけです。医者を信じ、薬の効能を信じてこそ、はじめてききめがあるのです。心病の治療を志すものもそれと同様です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
洋杖ステッキ効果ききめがありゃしないか」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
時がたてばたつほどあなたは私を露骨に軽蔑けいべつするようになるから、こうすればあなたの心持ちが直るか、そうしたら効果ききめがあるだろうかと私はいろんな試みをしているのですよ。
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)