“ききめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
効目32.8%
利目30.5%
効験11.7%
効果8.6%
効能6.3%
効力5.5%
2.3%
効顕0.8%
0.8%
験目0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敵国は空中よりの爆弾が一向いっこう効目ききめがなくなったことを確認し、そして遂に、その軍用機整備の縮小を決行するに至った次第しだいであります。
池辺いけべ君の容体ようだいが突然変ったのは、その日の十時半頃からで、一時は注射の利目ききめが見えるくらい、落ちつきかけたのだそうである。
三山居士 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
唯一の頼みにしていた白屈菜くさのおうを、ある薬剤の大家に製薬させてんでいたが、大してそれの効験ききめのないことも判って来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
時としては、何という理由わけもなく、急に癇癪が起りましてね……そんなときには大抵海岸か山の方へ転地しましたが、ちっとも効果ききめがありませんでした。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
彼は遠くにいる父の顔を眼の前に思い浮べながら、苦笑して筆をいた。手紙を書いてやったところでとうてい効能ききめはあるまいという気が続いて起った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
アノ人が自分の世界から態々わざわざ出掛けて来て、私達の世界へ一寸入れて貰はうとするのだが、生憎あいにく唯人の目を向けさせるだけで、一向効力ききめが無い。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
理窟よりも実物教育の判り易いこの人達だけに、案外ききめがあるかも知れない。
神のたたりであろうかと加持祈祷かじきとうに手を尽くしたが、それも一向効顕ききめがなく、怪異は相変わらず継続するので、主人の荘八はそれがために、いたく神経を悩まして病臥びょうがする仕儀となった。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
わっしは先生にお茶を入れてやるやら何やらで、お婆さんまでへとへとにさせてしまいましたが、——いっこうにききめがない。
平手中務なかつかさ政秀は信長のお守役であるが、前々から主信長の行状を気に病んで居た。色々といさめては見るものの一向に験目ききめがない。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)