“洋杖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ステッキ73.1%
ステツキ19.4%
すてつき4.5%
ケーン1.5%
すてっき1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
熱くて脱いだ黒無地のべんべらが畳んであった、それなり懐中ふところ捻込ねじこんだ、大小すっきり落しにさすと云うのが、洋杖ステッキ、洋杖です。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶話子は散歩をするのに、四つ辻へ来ると手に持つた洋杖ステツキなり蝙蝠傘かうもりがさなりを真直に立ててみてそれが倒れる方へ歩き出す事がよくある。
たちま全山ぜんざん高等野次馬かうとうやじうまは、われおくれじと馳付はせつけてると、博士はかせわらひながら、古靴ふるぐつ片足かたあしを、洋杖すてつきさきけてしめされた。
彼の上品な洋袴ズボンはところどころ裂け、洋杖ケーンを握るこぶしにはきずができて血が流れだしたけれど、一郎はまるでそれを意に留めないように見えた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
市郎は洋杖すてっき把直とりなおして、物音のするかたへ飛び込んで見ると、もう遅かった。わずか一足ひとあし違いで、トムは既に樹根きのねに倒れていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)