初花はつはな)” の例文
去年、秀吉のやな戦捷せんしょうのとき、家康から秀吉への賀の使者として、初花はつはなの茶入れをたずさえ、石川数正がえらばれて大坂へ行った。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾きし庭のおもてに日は照りて、夕立にうたれたるダリヤの初花はつはなは、緑なす長き茎をば白き家の壁にせかけたり。
初花楼はつはなろうの太夫職にして、初花はつはなといふ今年十六の全盛なる少女が、厳めしき検視の役人の前にて踏絵を踏む処なりとて人々、息もきあへず見守り居るていなり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
類似の句には、「何すとか君をいとはむ秋萩のその初花はつはなのうれしきものを」(巻十・二二七三)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
私が初花はつはなという吉原の花魁おいらんと近づきになったのも、やはり好奇心のためでした。ところが段々馴染んで行くと、好奇心をとおり越して、一種異ような状態に陥りました。
遺伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
後の作者は二人がしににゆく姿をえがくが如くに形容して、お染に対しては「おんな肌には白無垢むくや上にむらさき藤の紋、中着なかぎ緋紗綾ひざや黒繻子くろじゅすの帯、年は十七初花はつはなの、雨にしおるる立姿たちすがた
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
といいながら、秘蔵の初花はつはなの茶入を忠直卿に与えた。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
またなかやと我身わがみくらべて最憐いとおしがりこゝろかぎなぐさめられ優子いうこ眞實しんじつたのもしくふかくぞめし初花はつはなごろもいろにはいでじとつゝみしは和女そなたへの隔心かくしんならず有樣ありやう打明うちあけてといくたびも口元くちもとまではしものゝはづかしさにツイひそゝくれぬ和女そなたはまだ昨日今日きのふけふとて見參みまゐらせしこときならんが婢女をんなどもは蔭口かげぐちにお
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
賀使がしとして、伯耆守数正は、大坂へ赴き、徳川家重宝の初花はつはなの茶入れを——家康から秀吉へ贈る——歴史的な使命を勤めた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あゝ、咲く初花はつはなの薫りはいかに。
七月七日は、七夕たなばたちなみ、玉礀ぎょっかん暮鐘ぼしょうの絵を床に、紹鴎じょうおうのあられ釜を五徳ごとくにすえ、茶入れは、初花はつはなかたつきが用いられた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
掛けもの、花入れなどは、その日その日にかえられたが、初花はつはなの茶入れだけは、連日つかわれた。そして亭主の秀吉から
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初花はつはな
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)