“出損”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
でそく40.0%
でそこな40.0%
でそくな20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのほかにまだ見られた事があるにきまっている。不断なら進んで聞くところだが、何となく空景気からけいきを着けるような心持がして、どこでと押を強く出損でそくなったまま、二三歩あるく。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くしゃみ出損でそこなった顔をしたが、半間はんまに手を留めて、はらわたのごとく手拭てぬぐいを手繰り出して、蝦蟇口がまぐちの紐にからむので、よじってうつむけに額をいた。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
俺も一箇ひとりの女ゆゑに身を誤つたそのあとが、盗人ぬすと家業の高利貸とまで堕落してこれでやみやみ死んで了ふのは、余り無念とは思ふけれど、当初はじめ出損でそくなつたのが一生の不覚、あれがそもそも不運の貫一のからだ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)