出女でおんな)” の例文
出女でおんな、入り鉄砲」などと言われ、女の旅は関所関所で食い留められ、髪長かみなが、尼、比丘尼びくに髪切かみきり少女おとめなどと一々その風俗を区別され
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「伴れていければいきてえけど、入り鉄砲に出女でおんなといって、女が江戸から出るのはやかましいんだぜ」
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「お泊りだ、お一人さん——旅籠はびたでおきまり、そりゃ。」と指二本、出女でおんな目前めさきへぬいと出す。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夕暮のことであったので、旅籠屋の門口かどぐちでは出女でおんななどが、大声で旅人を呼んでいた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とこんなふうに申し上げればそれでことが済むんでございます、お関所にも抜け道があり、お調べにも言い抜けの道があるんでございますがね、やかましいのは入鉄砲いりでっぽう出女でおんなといって
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
出女でおんな鉄砲でっぽう」と言った昔は、西よりする鉄砲の輸入と、東よりする女の通行をそこで取り締まった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)