出刄庖丁でばばうちやう)” の例文
卯八の抛つた出刄庖丁でばばうちやうを拾つたのは、一番近いところに居たおそでだ。お袖の手から菊次郎が受取り、これを清五郎に渡した。
かしおき其夜そのようしこくとも思しき頃かね研澄とぎすましたる出刄庖丁でばばうちやう懷中くわいちうなし頬冠ほゝかぶりして忍びいでやがて質屋の前へ行き四邊あたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くれなゐを亂して、花嫁のお樂は飛出しました。それを追ふのは、何時、何處で手に入れたか、出刄庖丁でばばうちやうを振りかざしたお越。
太七は見付早々立歸つて母に斯とはなすに母は大いによろこび勘兵衞が脇差わきざしを太七にさゝせ其身は出刄庖丁でばばうちやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
出刄庖丁でばばうちやうだよ、水船の中から拾つて番所に預けてある」