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凝然
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ぢつ
ふりがな文庫
“
凝然
(
ぢつ
)” の例文
「
液汁
(
みづ
)
出
(
だ
)
したばかりにやちつた
痛
(
えて
)
えとも、その
代
(
けえし
)
すぐ
癒
(
なほ
)
つから」
勘次
(
かんじ
)
はおつぎを
凝然
(
ぢつ
)
と
見
(
み
)
てそれからもう
鼾
(
いびき
)
をかいて
居
(
ゐ
)
る
與吉
(
よきち
)
を
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
○こんな事を考へて、恰度秒針が一囘轉する程の間、私は
凝然
(
ぢつ
)
としてゐた。さうして自分の心が次第々々に暗くなつて行くことを感じた。
歌のいろ/\
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は、一体どんな顔をして何んな場合に嘆いたものか、笑つたものか、気分も表情も想像することは不可能であつた。いつも、いつまででも
凝然
(
ぢつ
)
としてゐるばかりの私は木兎であつた。
天狗洞食客記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「さうかい、
能
(
よ
)
く
行
(
や
)
つて
來
(
き
)
たね、まあ
上
(
あが
)
りな」
内儀
(
かみ
)
さんはランプを
自分
(
じぶん
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
に
上
(
あ
)
げて
凝然
(
ぢつ
)
と
首
(
くび
)
を
低
(
ひく
)
くしておつぎの
容子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
菊池君は矢張、唯一人自分の世界に居て、
胡坐
(
あぐら
)
をかいた膝頭を、兩手で攫んで、
凝然
(
ぢつ
)
として居る人だ。……………
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
凝然
(
ぢつ
)
とした
靜
(
しづ
)
かな
月
(
つき
)
が
幾
(
いく
)
らか
首
(
くび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたと
思
(
おも
)
つたら
樅
(
もみ
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
間
(
あひだ
)
から
少
(
すこ
)
し
覗
(
のぞ
)
いて、
踊子
(
をどりこ
)
が
形
(
かたち
)
づくつて
居
(
ゐ
)
る
輪
(
わ
)
の一
端
(
たん
)
をかつと
明
(
あ
)
かるくした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
初は、餘念の起るのを妨げようと、
凝然
(
ぢつ
)
と眉間に皺を寄せて苦い顏をしながら讀んで居たが、十遍、二十遍と繰返してるうちに、何時しか氣も落着いて來て眉が開く。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
初は、余念の起るのを妨げようと、
凝然
(
ぢつ
)
と
眉間
(
みけん
)
に皺を寄せて苦い顔をしながら読んで居たが、十遍、二十遍と繰返してるうちに、何時しか気も落着いて来て眉が開く。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
野村は力が抜けた様に墨を磨つて居たが、眼は
凝然
(
ぢつ
)
と竹山の筆の走るのを見た儘、
種々
(
いろん
)
な事が胸の中に急がしく往来して居て、さらでだに不気味な顔が一層険悪になつて居た。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
火箸で
煖爐
(
ストーブ
)
の中を掻𢌞しても見た。窓際に行つて見た。竹山は
凝然
(
ぢつ
)
と新聞を讀んで居る。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
肇さんは起き上ツて、
凝然
(
ぢつ
)
と其友の後姿を見送ツて居たが、浪の音と磯の香に犇々と身を包まれて、寂しい樣な、自由になツた樣な、何とも云へぬ氣持になツて、いひ知らず涙ぐんだ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ト、一日手を離さぬので筆が
仇敵
(
かたき
)
の樣になつてるから、手紙一本書く氣もしなければ、
書
(
ほん
)
など見ようとも思はぬ。
凝然
(
ぢつ
)
として
洋燈
(
ランプ
)
の火を見つめて居ると、
斷々
(
きれ/″\
)
な事が
雜然
(
ごつちや
)
になつて心を掠める。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
で、自分は、手づから一脚の椅子を石本に勸めて置いて、サテ屹となつて
四邊
(
あたり
)
を見た。女教師は何と感じてか
凝然
(
ぢつ
)
として此新來の客の後姿に見入つて居る。他の三人の顏色は云はずとも知れた事。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
で、自分は、手づから一脚の椅子を石本に勧めて置いて、サテ屹となつて四辺を見た。女教師は何を感じてか
凝然
(
ぢつ
)
として此新来の客の後姿に見入つて居る。他の三人の顔色は云はずとも知れた事。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
竹山が唯一人、
凝然
(
ぢつ
)
と椅子に凭れて新聞を讀んで居る。一分、二分、……五分! 何といふ長い時間だらう。何といふ恐ろしい沈默だらう。渠は腰かけても見た、立つても見た、新聞を取つても見た。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“凝然”の解説
凝然(ぎょうねん、仁治元年3月6日(1240年3月30日) - 元亨元年9月5日(1321年9月26日))は、鎌倉時代後期の東大寺の学僧。インド・中国・日本にまたがる仏教史を研究してその編述をおこない、日本仏教の包括的理解を追究して多くの著作をのこした。
(出典:Wikipedia)
凝
常用漢字
中学
部首:⼎
16画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“凝”で始まる語句
凝
凝視
凝乎
凝結
凝固
凝議
凝脂
凝集
凝塊
凝滞