冥罰みょうばつ)” の例文
かくてその人は愛の逆用から来る冥罰みょうばつを表面的な概念と社会の賞讃によって塗抹とまつし、社会はその人の表面的な行為によって平安をつないで行く。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
稲荷様の神体を見るソレカラ一つも二つも年を取ればおのずから度胸もくなったと見えて、年寄としよりなどの話にする神罰しんばつ冥罰みょうばつなんとうことは大嘘だいうそだとひとみずから信じきっ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ついに今日、変り果てし醜骸しゅうがいをお目にふれ候こと、まことに天の冥罰みょうばつ、そら怖ろしと酔心をひやし候といえども、乞食三日のたとえの如く、到底今となっては真人間に成り難き新九郎にござ候。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第六種(霊験編)霊験、感応、冥罰みょうばつ、業感、応報、託宣、神告、神通、感通、天啓
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
さばれ爾が尾いまだ九ツにけず、三国さんごく飛行ひぎょうの神通なければ、つひにおぞくも罠に落ちて、この野の露と消えんこと、けだしのがれぬ因果応報、大明神の冥罰みょうばつのほど、今こそ思ひ知れよかし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
白い犬鶏は必ず食わぬものでこれを食えば冥罰みょうばつを受くると信じたのだ。
むざとしてはかえつて冥罰みょうばつおそろしい。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)