“兆候”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうこう75.0%
きざし16.7%
しるし8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夢遊病者というものは、その兆候ちょうこうが本人にも絶対に分らない。夜中に歩廻ったり、お喋りをしたりしても、朝になればすっかり忘れている。
二癈人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
こう申せば何ですが、四ツ谷の空の一方には、あやしい雲が立上っておだやかならぬ兆候きざしが見えて、今にも破裂しそうで、気にかかってなりません。打棄うっちゃっておいてはお互の身の上でしょう。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「五郎の手簡など、見るまでもない。木曾の変心は、事実だろう。彼といい、梅雪入道といい、近年、いぶかしい兆候しるしはいくらもあった。——叔父御、御苦労ながら、また御出陣ください。勝頼も参りますれば」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)