傷跡きずあと)” の例文
じょうさんはびっくりして、さっそく、のりで、とれたをつけました。けれどどうしても傷跡きずあとはとれませんでした。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
別に特別の発見もなかったが、唯一つ、右の拇指ぼしの腹に針でついたほどの浅い傷跡きずあとがあって、その周囲だけが疣状いぼじょう隆起りゅうきし、すこし赤味が多いのを発見した。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
多くの犬にえ立てられるし、寒い晩には尻尾の傷跡きずあとが痛んでくるし、どうにも仕方しかたがなくなったのです。
天下一の馬 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「證據は澤山ある。欄間の障子は少しげて居るし、火鉢には揉み消した短かい火繩が埋めてあつた——主人の胸の傷跡きずあとや、柱の彈丸たまの跡は、納戸のはりから撃つたにしては、勾配こうばいが少し違ふ」