トップ
>
傍
>
そ
ふりがな文庫
“
傍
(
そ
)” の例文
○寺島の渡は寺島村なる
平作河岸
(
へいさくがし
)
より橋場の方へ渡る渡なり。平作河岸とは大川より左に入りて
直
(
ただち
)
に堤下に至る小渠に
傍
(
そ
)
へる地をいふ。
水の東京
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
主の彼は可笑しさを
堪
(
こら
)
え、素知らぬ
振
(
ふり
)
して、宮前のお広さん処へは、其処の墓地に
傍
(
そ
)
うて、ずッと
往
(
い
)
って、と
馬鹿叮嚀
(
ばかていねい
)
に教えてやった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
基督
(
キリスト
)
其の他の先覚の人格を信じ、若しくは彼等が偉大なる意識を証権として、其れに依り
傍
(
そ
)
うて
幻
(
おぼろ
)
げに形づくりたる者、その多きに居りし也。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
如何
(
いか
)
にせんと此時また忽然と鶴的鞍に
傍
(
そ
)
ひて歩み
來
(
きた
)
る見れば馬の
沓
(
くつ
)
を十足ほど
彼
(
か
)
の竹杖に
括
(
くゝ
)
し付けて肩にしたり
我馬士
(
わがまご
)
問ふて曰く鶴さん大層
沓
(
くつ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
文化の初め頃、山麓某村の農民二人、
川芎
(
せんきゅう
)
といふ薬草を採りに、此山西北の
谿
(
たに
)
に入って還ることなり難く、
流
(
ながれ
)
に
傍
(
そ
)
うた大木の
虚洞
(
うつろ
)
に夜を過すとて
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
舟若し高く岩頭に吹き上げられずば、必ず岩根に
傍
(
そ
)
ひて
千尋
(
ちひろ
)
の底に
壓
(
お
)
し沈めらるべし。われは翁と共に
艣
(
ろ
)
を握りつ。ジエンナロも亦少年を
扶
(
たす
)
けて働けり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
四里間に家無きも、山間或は原野にして、シオポロ川の源に出で、川畔に
傍
(
そ
)
うて
降
(
くだ
)
る。終日暴雨なり。
后
(
ご
)
三時愛冠に着す。全身は肌迄
湿
(
うるお
)
うたり。
夜中
(
やちゅう
)
熟眠す。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
海に
傍
(
そ
)
ひたる坂をめぐりくだるとき、已夕陽紅を遠波にしきたり。やち川を渡り十九町福川駅。米屋七五郎の家に宿す。此駅より海面に島々見ゆる中に、せん島黒髪山島尤大なり。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
例の物見高き町中なりければ、この
忙
(
せはし
)
き
際
(
きは
)
をも忘れて、
寄来
(
よりく
)
る
人数
(
にんず
)
は
蟻
(
あり
)
の甘きを探りたるやうに、一面には遭難者の土に
踞
(
つくば
)
へる
周辺
(
めぐり
)
を擁し、一面には婦人の左右に
傍
(
そ
)
ひて、目に物見んと
揉立
(
もみた
)
てたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一は人家の檜林に
傍
(
そ
)
うて北に折れ、林にそい、
桑畑
(
くわばたけ
)
にそい、二丁ばかり往って、雑木山の
端
(
はし
)
からまた東に折れ、北に折れて、六七丁往って終に甲州街道に出る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
口際に引き
傍
(
そ
)
ひたる
壯丁
(
わかもの
)
はやうやくにして馬の
逸
(
はや
)
るを制したり。號砲は再び鳴りぬ。こは
埒
(
らち
)
にしたる索を落す合圖なり。馬は
旋風
(
つむじかぜ
)
の如く
奔
(
はし
)
りて、我前を過ぎぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
すべて峡つづきゆえに高くして南の方は
柳瀬
(
やなせ
)
川のへりに
傍
(
そ
)
いたれば低しとある。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
甲奴
(
かふど
)
屋兵右衛門の家に休す。時正に午後陰雲起て雷雨
灑来
(
そゝぎきたり
)
数日にして乾渇を
愈
(
いやす
)
がごとし。未後にいたりて
霽
(
は
)
る。江原をすぐ。此地広遠にして見るところの山はなはだ不高。長堤数里砂川に
傍
(
そ
)
ふ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
山雲 水月 閑吟に
傍
(
そ
)
ふ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一は上祖師ヶ谷で
青山
(
あおやま
)
街道
(
かいどう
)
に近く、一は品川へ行く
灌漑
(
かんがい
)
用水の流れに
傍
(
そ
)
うて居た。
此等
(
これら
)
は彼が
懐
(
ふところ
)
よりも
些
(
ちと
)
反別が広過ぎた。最後に見たのが粕谷の
地所
(
じしょ
)
で、一反五畝余。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いざ我が
濟勝
(
さいしよう
)
の具の渠に劣らぬを證せんとて、我傍に引き
傍
(
そ
)
うて走り出しぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
傍
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
“傍”を含む語句
近傍
路傍
傍若無人
傍人
傍観
其傍
片傍
傍目
傍輩
傍聞
傍題
傍眼
両傍
傍岡
直傍
傍見
御傍
傍聴
傍視
傍々
...