“傍人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうじん61.1%
ばうじん16.7%
かたへびと5.6%
かたわらのひと5.6%
ひと5.6%
ぼうにん5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
途中で犬にえられる。ワーと泣いて帰る。御母さんがいっしょになってワーと泣かぬ以上は、傍人ぼうじんが泣かんでも出来損いの御母さんとは云われぬ。
写生文 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二君等は勿論当て字である。もつともかう云ふ発見は、僕自身に興味がある程、傍人ばうじんには面白くもなんともあるまい。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
われはヱネチアの既に甚だ近きを覺えしに、今傍人かたへびとに問へば猶一里ありと答ふ。而して此一里の間は、皆瀦留ちよりうせる沼澤せうたくの水のみ。處々には泥土の島嶼たうしよさまをなして頭をあらはせるあり。
傍人かたわらのひと、耳を覆いてのがれ去りしとぞ
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
あの隻眼隻手のどこがいいのかと傍人ひともわらえば自らもふしぎに耐えないくらい思いをよせているのに、針の先ほども通じないばかりか、先夜来すこしのことを根に持ってあの責め折檻せっかんが続いたのも
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それを傍人ぼうにんが皇帝に奏したので、帝は驚き諸臣も皆怪しんだが、罪過すでに軽からざるゆえに、死罪に定まった。その時帝が言うには、この男は才人である。賢者である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)