“今(い)” の例文
何を伯母さん、仰(おつ)しやる、今(い)ま若(も)し貴女に死なれでもして御覧なさい、私は殆(ほとん)ど此世の希望(のぞみ)を亡(なく)して仕舞ふ様なもんですよ、何卒ネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
今(い)まこれを再言すれば、東京専門学校をして政党以外に在て独立せしめんと欲する、これなり(大喝采)。余は本校の議員にして立憲改進党員なり。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
「一日の苟安(こうあん)は、数百年の大患なり、今(い)ま徒(いたずら)に姑息(こそく)以て処せば、その我を軽侮するもの、豈(あ)に独り露人のみならん。四方の外夷(がいい)、我に意あるもの、踵(くびす)を接して起らん」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
というは春海(はるみ)のなりしやに覚え候。これは不尽の裾(すそ)より見上げし時の即興なるべく、生(せい)も実際にかく感じたることあれば面白き歌と一時は思いしが、今(い)ま見れば拙(つたな)き歌に有之(これあり)候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
今(い)ンまの先、別荘の前さ通ると、裏口が開いてるでねえかよ。俺(おら)不審に思って庭さ這入(へえ)って見ると、雨戸が一枚こじ開けてあるだ。俺(おら)、大きな声で呼ばったゞ。何の返辞もねえだ。
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
また或る人の話に、手形の無い者が通りかかると、役人が『こら』と声をかける。その時その者はクルリと向きをかえて、今(い)ま歩いて来た方角へ顔を向けて蹲(しゃが)む。『手形があるか。』と問う。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
余は今(い)ま自己の訴訟を自ら弁護せんとするに当り
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
あア其れですかどころぢや有りませんよ、先生、貴郎(あなた)が今(い)ま厳乎(しつかり)して下ださらねば、永阪教会も廿五年の御祝で死んで仕舞ひます
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
今(い)ま党員たるの位地よりしてこれを言えば、本校の学生諸君をして咸(ことごと)く改進の主義に遵(したが)わしめ、皆(み)なその旗下に属せしめんと欲するは、固(もと)よりその所なり(大喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
是れが神の国への路でせうか、ケレ共何処(どこ)の教会に此の暗黒界の燈火が点(つ)いて居りますか、今(い)ま若(も)し基督(キリスト)が出で来り給ふならば
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)