二方にはう)” の例文
かれ見付出みつけだしたいへからがさび土塀どべい二方にはうめぐらして、すで古風こふう片付かたづいてゐた。宗助そうすけ安井やすゐから、其所そこ主人しゆじんはもと加茂神社かもじんじや神官しんくわん一人ひとりであつたとはなしいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此処ここは板敷で、中央に拡げた方一間はういつけんあまりの古絨毯ふるじゆうたんほかには、一枚の畳も敷いてはない。さうして東と北と二方にはうの壁には、新古和漢洋の書物を詰めた、無暗に大きな書棚が並んでゐる。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
如何いかなれば二方にはうの壁よ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)