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両手
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もろて
ふりがな文庫
“
両手
(
もろて
)” の例文
旧字:
兩手
両手
(
もろて
)
の冴えを磨いていたが、昨夜も大雪を物ともせず、魔境と称して人の嫌う硫黄ヶ滝の森へ来て、木太刀を揮っていたのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
平次も、金太も、ガラッ八も、この真っ蒼な顔と、気違い染みた眼と、わななく
両手
(
もろて
)
の前に、思わず道を開きました。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
眼
(
まなこ
)
閉づれば速く近く、
何処
(
いづこ
)
なるらん
琴
(
こと
)
の音聴こゆ
頭
(
かしら
)
揚ぐれば氷の上に 冷えたる
躯
(
からだ
)
、一ツ坐せり
両手
(
もろて
)
振
(
ふる
)
つて歌
唄
(
うた
)
へば
山彦
(
こだま
)
の末見ゆ、高きみそら
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
思いの
中
(
うち
)
に激すればや、じたじたと
慄
(
ふる
)
い出す
膝
(
ひざ
)
の
頭
(
かしら
)
をしっかと寄せ合わせて、その上に
両手
(
もろて
)
突っ張り、身を固くして十兵衛は、情ない親方様、二人でしょうとは情ない
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして、とある居酒屋に入つて、
麦酒
(
ビール
)
の大杯を
三息
(
みいき
)
ぐらゐで飲みほした。そして
両手
(
もろて
)
で頭をかかへて、どうも長かつたなあ。実にながいなあ。かう独語した。そこで、なほ一杯の麦酒を傾けた。
接吻
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
蚕豆
(
そらまめ
)
と麦秋の頃、舟舞台水にうかびて、老柳堀にしだれて、ひりへうと子らぞ吹きける、撥上げてとうとたたきぬ。見えず
媼
(
をば
)
、舟多きから、我が言へば、さらばかくませ、この
脊
(
せ
)
にと、
両手
(
もろて
)
後
(
あと
)
にす。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
飛込んだのは親父の吉五郎、お留と平次の間に割って入ると、
両手
(
もろて
)
を後ろに廻して、観念の顔をあげるのです。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
篠田は梅子の肩、
両手
(
もろて
)
に抱きて「心弱きものと御笑ひ下ださいますな——アヽ今こそ此心晴れ渡りて、一点
憂愁
(
いうしう
)
の
浮雲
(
ふうん
)
をも認めませぬ、——然らば梅子さん、是れでお
訣別
(
わかれ
)
致します」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
じた/\と
慄
(
ふる
)
ひ出す膝の頭を
緊乎
(
しつか
)
と寄せ合せて、其上に
両手
(
もろて
)
突張り、身を固くして十兵衞は、情無い親方様、二人で為うとは情無い、十兵衞に半分仕事を譲つて下されうとは御慈悲のやうで情無い
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
寂しければ
両手
(
もろて
)
張り切り相模灘を抜手切りゆく飛びゆくばかり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
菱採りはか揺りかく揺り桶舟に
両手
(
もろて
)
掻
(
か
)
きしてその菱堀を
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
陣貝は裃正し高々と
両手
(
もろて
)
持ちにぞ吹きあげにけれ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
汝
(
な
)
がもとに
両手
(
もろて
)
をあてて眼病の少女はゆめみ
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
卓
(
しよく
)
の上
両手
(
もろて
)
を垂れて
瞑目
(
めつぶ
)
れば闇はにほひぬ。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
両
常用漢字
小3
部首:⼀
6画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“両”で始まる語句
両
両親
両人
両方
両肱
両側
両眼
両国
両掌
両膝