)” の例文
カムヌナカハミミの命は、天下をお治めになりました。すべてこのカムヤマトイハレ彦の天皇は、御歳おとし百三十七歳、御陵は畝傍山の北の方の白檮かしにあります。
前者の「秋の空尾のすぎに離れたり」「息吹きかえす霍乱かくらんの針」「顔に物着てうたたねの月」
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
河内介の三倍ものかさのある衣裳を着けた夫人の立ち姿が、そのとき牡丹ぼたんくずれ落ちるようなゆったりとした動揺を起して、をわたる松風にも似た大袈裟おゝげさきぬずれの音を立てた。
其で思い合せられるのは、此頃ちょくちょく、からうしの間に、里から見えるこのあたりのに、光り物がしたり、時ならぬ一時颪いっときおろしの凄いうなりが、聞えたりする。今までついに聞かぬこと。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
王族広間の上のはてにき着きたまいて、国々の公使、またはその夫人などこれを囲むとき、かねて高廊のに控えたる狙撃連隊そげきれんたいの楽人がひと声鳴らす鼓とともに「ポロネエズ」という舞はじまりぬ。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)