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うま
ふりがな文庫
“
上手
(
うま
)” の例文
金兵衛は相当ケチケチした親方らしいが、それでも人使いが
上手
(
うま
)
かったのだろう。怨んでいる人間なんか一人も居ないらしいのだ。
近眼芸妓と迷宮事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私が自分に求めているだけの
闊達
(
かったつ
)
さ、
強靭
(
きょうじん
)
さ、雄大さはまだわがものとしていません、まだその手前での
上手
(
うま
)
さであり、
確
(
しっか
)
りさである。
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
歳太郎は子供のときから
明笛
(
みんてき
)
や流行唄などを
上手
(
うま
)
くうたったが、こんな処へ墜ちてきた自分をいつもかれの前では
蔑
(
さげす
)
んでいたのである。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
岡倉氏の説明するところはなかなか
上手
(
うま
)
いので、私に
嫌
(
いや
)
といわさないように話しを運んでいられる。氏はさらに言葉を継ぎ
幕末維新懐古談:65 学校へ奉職した前後のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
浜中屋のお菊ちゃんが笛の
上手
(
うま
)
いのは、天才でもあったが、一つは、病身のせいでもあった。露八は眼を
瞑
(
つむ
)
って笛の音を聞いているとすぐに
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
しばし承引の返事もなく思いわずらう宮の胸中を一条の
光芒
(
こうぼう
)
が閃いた。
相人
(
そうにん
)
の
上手
(
うま
)
いといわれた少納言
惟長
(
これなが
)
のことである。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
そのうち宮島さんという人がいろいろと自分で工夫し、
上手
(
うま
)
くなって専門の石膏屋になったが、僕らも段々少い石膏で上手く出来るようになった。
美術学校時代
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
... なにしろ、波だってあまり
上手
(
うま
)
く書けていないから、泳ぐにしたって楽じゃない、って。……面白いでしょう」「ノン」
ノンシャラン道中記:01 八人の小悪魔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「まア、そう。山口も
上手
(
うま
)
いのね。でも、あたしなんか、そりゃ初めは淋しかったわ。だけど、もうこうなればね。」
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
私の高弟の小林勇君などは、見る見るうちに
上手
(
うま
)
くなってとっくに師匠を凌駕してしまった。私を帝展の審査員とすると、勇は大観、古径の
級
(
クラス
)
になってしまった。
南画三題
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
阿部も伴も演説が
上手
(
うま
)
くなっていた。聴衆は阿部や伴のゴツゴツした一言一言に底から揺り動かされているではないか! 健は睡尻にジリジリと涙がせまってくる。
不在地主
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「内側から追い抜くのは違反だからね。だから、君たちの到着と出発の順序も、ああなるんだ。……でも、あんな道で……まったく、君も運転が
上手
(
うま
)
くなったものさ」
あるドライブ
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
(ああ、
身震
(
みぶるい
)
がするほど
上手
(
うま
)
い、あやかるように拝んで来な、それ、お
賽銭
(
さいせん
)
をあげる気で。)
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分はそれらの小説を讀んで
上手
(
うま
)
いとも
下手
(
まづ
)
いとも決める事が出來なかつた。
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
そこで昨夜は失敗したが、今夜こそは一つ
上手
(
うま
)
くやって、——実はね君
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
と相手の笛の
上手
(
うま
)
いことをほめた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「
上手
(
うま
)
いもんだね」
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
スケッチが出来たら、下手でもさぞいい保養だろうと思います。寿江子は
上手
(
うま
)
い。それでも絵は気まぐれにしかやる気がしない由。
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「貴さまは、碁が
上手
(
うま
)
いので、よく老公のお相手に召されるが……碁のうえなどでも、お叱言の出ることがあるか」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この技師は俳句も
上手
(
うま
)
いが、優秀な
豪
(
えら
)
い技師ですよ。僕と俳句友達ですから、遠慮の
要
(
い
)
らない間柄なんです。」
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「お前はなかなかお茶の飲みかたが
上手
(
うま
)
くなったが、いつの間に覚えたのか……」などと、父は言ったりした。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
檜
(
ひのき
)
の板を削って、すげる深さだけそこを削って
嵌込
(
はめこ
)
み
膠
(
にかわ
)
でつけて、小刀の柄がピッタリついて取れないようにすげ、それを
上手
(
うま
)
く削って父なら父流の柄の形にこしらえ
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
踊が
上手
(
うま
)
い、声もよし、
三味線
(
さみせん
)
はおもて芸、
下方
(
したかた
)
も、笛まで出来る。しかるに芸人の自覚といった事が少しもない。顔だちも目についたが、色っぽく見えない処へ、
媚
(
なまめか
)
しさなどは
気
(
け
)
もなかった。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
阿部だけは、地主やその手先の役場の、とても
上手
(
うま
)
い奸策だと云った。
不在地主
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
小説の
上手
(
うま
)
くなるまじないに、「たけくらべ」の中の文字五つ六つを水に浮べて、凡庸なものたちにのましてやりたいと評した。
人生の風情
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
『ああ、わしのような
気怯
(
きおく
)
れ者は、何をしたって、生きて行く力が足りない。体は弱いし、絵は
上手
(
うま
)
くならないし……。悩むために生きているようなものだ』
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なかなか
上手
(
うま
)
いな。」といふと
蒼白き巣窟
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
ああいうとこの描写でも
上手
(
うま
)
いわね。とことんのところまで色も彫りも薄めず描写して行く力は大きいものですね。
獄中への手紙:02 一九三五年(昭和十年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「男ぶりなんか訊いているんじゃありませんよ。お灸が
上手
(
うま
)
そうだか、
下手
(
へた
)
だかを、訊くんです」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皆ここのひとは
上手
(
うま
)
くなりました。山岸しづ江さんなども。阿部一族(鴎外)の映画は好評です。今日は江戸城明渡し(藤森)です。では又。どうかそのお元気で。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それは、笛吹きの名人だった長五郎の
遺物
(
かたみ
)
かも知れないと人は云ったが、ほんとは、子どものうちから笛が好きで、彼女の笛は、長五郎以上にもとから
上手
(
うま
)
かったのであった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうだろうか——怪しいもんだ。しかしまあ、
流石
(
さすが
)
十五年アメリカを流れて来た人だけあって、
上手
(
うま
)
いものさ、
否
(
いや
)
ですと一言、はっきり云ってしまえば、もうここに息子顔を
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
上手
(
うま
)
くいったね。——同心なんていう者は、悧巧そうで、案外馬鹿なものさ。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飾窓へやっと一つ着付人形を買う——あの時分の楽しかったこと……その時分からエーゴルはマンドリンが
上手
(
うま
)
くてね、町で評判だった。自分が
弾
(
ひ
)
いては私によく踊らせたもんだわ。
街
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
いかにも二十余年前には、権六どののお腰はおろか、猿めは、
導引
(
どういん
)
が
上手
(
うま
)
いとて、御一門の衆などには、わけてよう揉ませられたものじゃった。そして、お菓子など賜わると、うれしくてなあ。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この頃は犬の鳴声の素敵に
上手
(
うま
)
い奴もいるってネ」
舗道
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「そんなに
上手
(
うま
)
いので?」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
裏には京子とあんまり
上手
(
うま
)
くない手で書いてある。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
何か
上手
(
うま
)
い方法はないでしょうかねえ
お久美さんと其の周囲
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
上手
(
うま
)
いな」
高台寺
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“上手”で始まる語句
上手物
上手下手
上手者
上手廻