“一飛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひととび38.5%
ひとと30.8%
いつぴ7.7%
ひとゝび7.7%
ひとッと7.7%
ひとッとび7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すそを伝うて、と高く、ト一飛ひととび低く、草を踏み、岩を渡って、およそ十四五分時を経て、ここぞ、と思う山の根の、波にさらされた岩の上。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そんなはなしはどうだっていい。まあ、はやくいってこよう。」と、きつねがいったので、りすは、一飛ひととびにたにほうけていきました。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
貪欲界どんよくかいの雲はりて歩々ほほに厚くまもり、離恨天りこんてんの雨は随所ただちそそぐ、一飛いつぴ一躍出でては人の肉をくらひ、半生半死りては我とはらわたつんざく。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お若も伊之助も落胆がっかりいたし、あゝ馬鹿々々しい、ちょいと開けてくれさえすればあの汽車で神奈川まで一飛ひとゝびかれるもの、なんぼ規則があるからッてあんまりひどい仕方
一飛ひとッとびだから、梟が迎いに来たんだろう。」
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またしきりに鳴く——蛙の皮の疣々いぼいぼのようでもあります。そうして、一飛ひとッとびずつ大跨おおまた歩行あるくのが、何ですか舶来の踊子が、ホテルで戸惑とまどいをしたか、銀座の夜中に迷子になった様子で。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)